【34鞍目】推し馬だけれど、時には厳しさも必要(with愛情)
今週は土日に来れないので新馬調教+2鞍乗ってきました。
前回が乗馬(というか馬との関わり合い)の甘い部分を経験したとしたら、今回はいよいよ楽しいだけじゃない苦い部分にも片足を突っ込んだんだなあと感じた騎乗だった。タイトルのことを実感したけれど、言うは易く行うは難しい……。
とりあえず先に34鞍目の日記です。
今日の配馬
34鞍目:タガノガジュマル(お気に入りの子)
35鞍目:アンボワーズ(初めて乗るお馬)
当日予約で入れてもらったけれど、なかなかびっくりする配馬だった……。
まず、よく専用馬で乗っているガジュが選定で当たることに驚いた。今日は専用馬取ってないのに!
誰か知った人の見えざる配慮を感じましたね。某指導員さんかなあ……。今日も本当は専用馬で乗りたかった所だったので、選定で当ててくれて有難いけれどね!
次の35鞍目の記事で詳しく書こうと思うけれど、アンボワーズはいよいよ来ましたか……という感じ。
アンボワーズという馬は扱いがとにかく難しいことでクラブ内では有名。ベーシックAでめっちゃ反抗してるの見たことあるし、みんなアイツはヤバいって感じで言う。扱いが難しいといえばアンボ、みたいな。
正直、そろそろ難しいと言われる馬に乗って腕試ししてみたかったのでニヤリとしてしまう。そこまでの不安はなかった。
あと、SNSに上がっていた、放牧の時のはしゃいでめちゃくちゃな走り方や跳び方をしている様子がとっても自由で運動神経の塊過ぎて魅力的だったのと、放牧されてるのを見た時は可愛い子って感じたので楽しみでもあった……。
ちなみにこの日は初めて馬に噛まれた(新馬調教で)のと、初めて落馬しそうになったのと、初めてガジュをキレさせた記念日です。ウケる!(ヤケ)
これまでベーシックAはほぼというか全部Yさんのレッスンで、最初のベーシック馬場もYさんだったけれど、今日はどちらのレッスンも久しぶりのYさん以外の指導員さんだったのでなんか心がソワソワしてしまった。
推し馬でも悪いことをしたらしっかり叱る
馬房から引き馬していって洗い場に繋ごうとした時に、ガジュが洗い場に一回収まったと思ったら、そのまま真っ直ぐすり抜けて、目の前の地面の草を食べようとし始めた。これは完全に言うこと聞いていないというか、舐められている感じ。
前の時間に新馬調教に参加していたのだけれど、その時に「いけないことをした時は目を見て睨みをきかせて叱りましょう」「何かやる前に行動を予測して馬を動かす」と言われたのをすぐさま思い出した。(この辺も個別記事で書きたい……とてもためになるけれど難しい、馬との付き合い方)
いつもなら「も〜😣😣😣」となって人の助けがないと馬を御せなくなってしまうところを、草を食べ始める前に引き手をグイッと引いてこちらに近寄せる。
ガジュの目をしっかりと見て、「こら、ダメでしょ。言うこと聞いて」とできるだけ冷静に、いつもと違うトーンで言った。
それから、もう一度洗い場に入れようとトライしたら今度はすんなりと入ってくれた。
できればしたくない叱りだけれど、それが伝わったことにホッとした。当然、よく褒めてあげた。
自由にしてあげたい気持ちもあるんだけれど、舐められてこちらのやってほしいことを平気で無視するような子にはなってほしくないから、大好きな馬でも、むしろ大好きだからこそ、メリハリつけて時には叱らないといけないのかなと思った。その分、よくやってくれた時はいっぱい褒めてあげたいな。
正反動は難しい
この後のベーシック馬場レッスンでは、特に問題はなく走ってくれた。
遅れても大丈夫なようにか最後尾だったけれど、全然遅れずについていくことができました。
むしろ、前の馬と距離が近くなってしまうこともあったので「遅い馬だから指導員さんの言う通り遅れないように頑張らせる」っていう思考停止の乗馬ではなくて、「速かろうが遅かろうが何があろうと前とは2馬身の間隔でキープ」という感じのもっと精度の高いスピードコントロールができるようになりたい。どの馬に乗っていてもだけれど。
ただ、正反動がやっぱりまだよく掴めない。正反動の練習してる時に初めて落馬しそうになった……。さすがに怖かった。
咄嗟のことすぎたのと、「落ちる!」と思って無我夢中だったので、どうしてそんな状況になったかは記憶にない……。
でも多分、正反動の姿勢を探り探りで乗っていて、跳ね上げられて右が左にバランスを崩した状態で馬が走り続けたからだと思う。手綱を引いて減速させて、急いでバランスを戻した。
結果的にはすぐに軽速歩に戻して滞りなく走ることができたけれど焦った……。ほんの一瞬でバランスは崩れるのだと分かったので、初心に帰って気をつけていこう……。
最近、ガジュは乗った時の馬場での動きに申し分がなくて助かる。
外側を走る蹄跡行進は得意だし、小柄でちょこちょこ小股走りするので他の馬より足は遅いのだけれど、大丈夫?というくらい一生懸命走ってくれたり、やる気満々の前進気勢でいてくれることが多い。
あとは私が正反動と細かい技術の精度を上げることができれば……って感じ。正反動の乗り方勉強する……。
普段は温厚な推し馬との喧嘩
レッスンが終わって、今日はもうこれでお仕事終わりとのことだったので馬房に帰そうとしたら、厩務員さんがこれからガジュの馬房を掃除する所だった。
「あーっ、ガジュマル!掃除中だから向こう繋いでおいて!」と言われたので、厩舎の奥の洗い場に繋ごうと引いていったら素直に入ってくれず、足早に通り過ぎようとする。物凄い勢いで歩くからこちらも危険を覚える。
舌鼓して回転させて、もう一度洗い場に入れようとしたら今度は引いても動かない!
顔を見たら耳を伏せて目を剥いている。初めて見る顔。お、怒ってる……!あの温厚なガジュが……。
「いやそこに入るのは絶対おかしい!」とでも言いたげに、テコでも動かなくなってしまったので、居合わせた上級者と見られる会員のおじさんに助けてもらう。 *1
おじさんが引いても全然動かない!
「この馬誰!?」
「ガジュマルです!」
「ええ!?」
訳を話して、何とか二人がかりで協力して洗い場に繋いだ。
この経験で、無口をつけて洗い場に繋がせてくれない時に、洗い場の引き手同士を繋いで一旦通せんぼして出られないようにするという技を学んだ……。
「そういうことする奴じゃなかったのに、何だ、この頃生意気だなぁ」
「らしくないですよね……」*2
やっぱりそうですよねー……。最近洗い場をスルーしようとすることを覚えたって他のスタッフさんも言っていたなあ。
そんなことを話していたら前掻きをドンドンやっている。これまではかわいい控えめな前掻きしか見たことなかったから、こういう強い抗議もするんだ……と驚いた。
「間違ってるよ!ここじゃないでしょ!頑張ったんだからおうちに帰してよ!!」
と抗議されているように感じる。普通だったら今頃お家に帰ってごはんごはん♪だもんなぁ……。
しばらくするとガジュは落ち着きを取り戻して、こちらをきょとりと見ているけれど、まあ心中めちゃくちゃ帰りたがってるだろうなあ。
でも掃除が終わらないことにはどうしてあげようもないので、じゃあねガジュと声を掛けて退散する。
何だか、馬房からの出し戻しと馬装、あと新馬調教をやるようになってから、いかにスタッフさんが水面下で大変なことやっているか、いかに今までがお客さんの中のお客さんで、 甘くて楽しい浅い所だけを味わっていたが分かった。やるようになってたった2回目だけれど。
今まではゲームのオープニングムービーで、やっとフィールドに出て冒険が始まる的な……。これからもっともっと深みが増していくんだろうな。
次回、前評判がヤバい馬
話を聞くと、おじさんも似たような状況に遭ったことが2回ほどあって、女の子馬のミレニアムちゃんに馬房の前まで引きずられたことがあるとのこと。やばすぎる。
次の時間、アンボワーズに初めて乗るんですと言ったらニヤリと笑われて「あいつは大変」と言われた。なんか、アンボワーズ乗ると言うとみんな似たようなリアクションするんだけど……。前のレッスンの指導員のSさん同様に、このおじさんも色々アドバイスをしてくれた。
アンボって一体どれだけヤバい馬なんだ???
次の記事へ続く。
おまけ:今日のガジュくん
装鞍の作業してたら、頭の後ろに鼻先でツンツンされてる感覚を覚えて何かイタズラされてるか毛繕いでもされるのかなあと。
そしたら、髪につけていたバンダナリボンをスルッと口で持っていかれて、結っていた髪を解かれた……。
馬に髪ほどかれた人ってあまりいないんじゃないかなあ……。