うまめのめ

ゆるらゆるりと馬に乗ったり関わったりする記録。趣味の乗馬日記ブログです。お馬のイラストも描きます。

【35鞍目】クラブ内では悪名の高いイタズラっ子馬に乗りました

35鞍目の記録です。今回はクラブ内で問題児と有名な子に乗った話。

気を付けてだとか頑張ってだとか言われてヤバげな雰囲気だけれど、やりたいことは変わらず正反動の練習!

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アンボワーズという馬

34鞍目のレッスンの次の時間は、選定*1で当たったアンボワーズがパートナーに。
 
このアンボワーズという馬、前の記事でも書いたように扱いが難しいことでクラブ内では有名。実際、ベーシックAや駈歩のレッスンで反抗して尻っぱねしまくっているのを見たことがあったような。
イタズラっ子なのか、気性が荒いのか……扱いにくい訳にちょっと興味があるけれど今はまだ何も分からない。
 
そんな悪名高きアンボちゃん*2だけれど、丸馬場に放牧されているのを一度見たことがあって、その時とっても可愛かったのをよく覚えている。
クラブに来たらちっちゃこーい綺麗な鹿毛さんが放牧されていて、とっても楽しそうにのびのびと走ったり、止まってのんびりと草を食べたりしてる。すごく良い風景。
近くに置いてある無口に「アンボワーズ」と書いてあって、「こんな可愛い子があの悪名高きアンボちゃん!?」と
横を通ると、ちょっかいかけるようにギリギリ隣を速歩してくるんだけど、止まってこっち見るかな?と思って「アンボちゃ〜ん」と呼びかけると駈歩でビュンと走って行ってしまったり。そういうのを3回くらい繰り返していた。
 
インスタに上がっていた放牧中の動画がものすご〜く素敵なんです。

いかにも運動神経の塊って感じで、これ見た時うわ好き〜〜〜と思った。馬の本来の身体能力を余すことなく見せつけられたような……!
体の柔らかそうな、身軽な横っ跳びはついつい何度も見たくなってしまう。
 

いざご対面

34鞍目の記事で書いたように、まさかのレッスン後にガジュとバトルになっていてなかなか来なかったからか、咬癖があるのか口籠が必要な馬だからか、馬装を指導員のHさんがやってくれた。プロテクターだけ自分で付ける。
 
いざ問題児とご対面。初めて乗る馬なので、まずは握り拳を鼻先に近寄せて自分の匂いを嗅がせて挨拶をする。確認し終わって馬が「もういいわ」って感じで嗅ぐのをやめるまで存分に嗅がせる。
最近分かってきたのが、どんな性格の馬でもこの挨拶をするとすんすんと匂いを嗅いで確かめるということ。人懐っこい子はもちろん、怒りっぽい子や人への関心が薄そうな子もこれは必ずやる。……経験の例が少なすぎるから、広い世界にはそうじゃない馬もいそうな気がするけれど。
アンボも例に漏れず確認する子だった。声を掛けまくって鐙を合わせる。
 
やっぱり見た目が可愛い。いやみんな可愛いけれど。事前情報通り、小柄と言われるガジュに負けず劣らずちっこい。可愛い。額に小さい星があるし、ちょっとガジュに似てるかな?と思ったけれど、目付きがキリッとしているから少し違う。
ガジュは少しタレ目気味でのほほんとしてる感じだけれど、アンボはキリッとして気が強そうというか我が強そうな雰囲気。競走馬の顔付きで気が強そうな顔とか言うのを、よくそんなの分かるなって思っていたけれど、結構違う。
 
出発すると言われたので馬場に連れていく。出発するけどゴネないでね、という思いを込めて思わず「じゃあよろしく願いします!」と言って引いてしまった……。すると、スムーズに出てくれたのでとりあえずニッコリ。
ゴネられたらゴネられたで対処すればいいだけの話なんだけれど、ゴネられるとちょっと凹むのでできればスムーズに出勤していただきたいのです……。
 

やる気いっぱいで走ってくれる。たまのワガママには注意

特に問題なく騎乗して、いざレッスンスタート。指導員さんからは「こいつは難しいです。こいつを扱えたら自信を持っていいです。上手く乗れたら勝ちですよ!」と言われる。そ ん な に
 
前評判に警戒して、扶助は弱めからスタートするけれど、いつも他の馬にしているような扶助で問題なく走る。反抗もない。やる気たっぷりな感じでシャキシャキと歩いてくれる。フラフラ歩いてたら気を付けてと結構言われていたので、これは好感触。
一度走り始めると止まらないから助かる。油断してると突然向き変えて内側走ろうとしたりするから注意はしていないといけないけど。
 
最初、内側に入って暴走しようとした瞬間があったけれど、指導員さんが振り返ったらやめた。こいつ……。
人を見ているのは確かっぽいので油断はしちゃダメだなとちょっと気を引き締める。
 
たまーに手前変換(右回り・左回りの切り替え)用にある内側の道に入って加速しようとする時があったけど、鞭入れたら素直にやめて外側に復帰してくれるので全然問題なし。その程度の癖なら他の馬でもあるので……。
 

軽速歩の手前合わせ

軽速歩の手前は「外側前足が出る動きを始めた時に立っている」なので、「外側前足が出ている時に立つ」ではない。後者だと思っていたから手前が逆で乗ってしまっていた。
手前が合ってる時と逆な時で感覚が違うのは分かるし、前者の方が心地良いような気がするので感覚でも覚えたい……。
 

正反動の練習

そして、今一番練習したい正反動の速歩。 
アンボワーズはガジュと同じような小柄体型だけれど、正反動がやりやすい気がした。歩度を詰めて正反動をすると、フワッと反動がどこかへ逃げた気がした。
軽速歩のコツを掴んだ時のような気持ちの良い感覚にとらわれたので、多分アレが正解。というかアレが正解であってほしい。
あとは、その感覚のまま継続することがまだ難しかったので、今の馬場の2周を正反動で継続できるように頑張ろう。
色々コツはあるんだろうけれど、とにかく練習量とか慣れでできるようになっていくものな気がする。落馬だけ気を付けて練習していこう。
 

今後の課題

  • 正反動とその継続をできるようにする
    正解」のイメージがまだイマイチ分かっていないので、フォームの勉強をしたり正反動がやりやすい馬に乗って、まずは「正しい正反動」のイメージを固めたい!その上で毎回質の高い練習ができたらいいな。
  • 内方脚・外方脚を使えるようにして誘導の精度を上げる
    用語を出して本格的に「使って」と言われたのは今回のレッスンが初。これも正解が分かっていないので勉強からだな~。
  • 軽速歩の手前合わせを完璧に
    今回で理解できた気がしたけれど、次で掴み切りたい。あとできれば乗り心地で分かるようになりたい。
  • 軽速歩のさらなる精度向上
    できるようになった軽速歩が楽しくて仕方ないので、速度コントロールの面でさらに精度を上げていきたい。あと、人馬の負担が軽くて疲れにくい、綺麗な軽速歩をさらに目指していきたい!

 レッスンがそろそろ終わりなのでみんなでのんびりと常歩をさせていると、「まだ走りたい!走り足りない!」と言いたげに自分でぐんぐん歩度を伸ばしたりしているアンボワーズが可愛かったです。

 

 「こうしてほしい」がハッキリしているから初心者的に助かる

鞍上だといい子だけれど、降りた後に荒れたりきかん坊になる馬もいるので最後まで気が抜けない。
 

裏掘りの仕方

苦手なレッスン後の裏掘り、反抗して肢上げてくれなかったり蹴ろうとしてきたりしてきそう~という勝手な先入観を持っていた。
そう思って鉄爪を持って左側に行くと、手前の肢を普通に上げてくれる。いい子!
けれど、左前を掘り終わって奥の右前肢を内側から引き出そうとしたら、出してくれない。あれれ、反抗……?
と、思いきや「そうじゃなくて〜……」って感じでパッと外側から出してきてくれた。

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とっても要求が分かりやすい。
反抗して肢を上げないのかと思ったら「おい、次のこっちの足掘るんだろうけど、俺の場合は右脚こっち側から出してくれよな!」と自分で足をクロスしてくれたのがかなり印象的だった……!!*3
裏掘り苦手でどう足を持ってくればいいか少し不安な上に、馬によって違うと聞いていたので、こうやれと仕草ですごく分かりやすく見せてくれたのがありがたかった。
 

帰り方のこだわり

馬房に帰そうとしたら、自分の馬房の前でピタッと止まって全く動かなくなった。
力づくで引っ張っても、叱っても、何しても全く動かない。そうこうしているうちに後ろが引き上げてきた馬で渋滞し始める。あまり馬房前で叱りたくないんだけどな……。それまでちょいちょい耳伏せたりしながらも凄くいい子にしてたのになんで最後の最後になって……。
 
と、思ったら遠くからスタッフさんが「こっちの入口から入ると体を曲げて入りにくいのが嫌なのかもしれない。向こうの入口から入って逆側から入れてみてください」と言ってくれたので、その通りにしてみる。
なんだそのこだわり……と思ったけれど、体が曲げにくいとかお身体の事情とか気持ち的なこだわりが何かしらあるんだろうなあ。(できれば先に知りたかった情報……)
 
別の入口から入っても、こっから先は進みたくないってちょっとゴネたけれど、帰るよ!と引いたらなんとか従ってついてきてくれた。
他の馬はご飯食べたくてむしろ焦り気味の小走りで帰るくらいなのに、帰りたくないってなんなんだ……。
馬房に入ったら入ったで、隣の馬(ノーブルプラネット。気が強いディープ産駒の子)と喧嘩おっ始めそうにしていて「いいからいいから!」とぱぱっと無口と口籠を外して退散。馬同士の喧嘩に巻き込まれたら死にそうだ。*4
 
そんなレッスン後の様子からも、自分の意思をとてもハッキリと表明してくれる子だと感じた。
今は亡き元競走馬・名種牡馬ステイゴールドの関係者さんが、凶暴で気性難な面を「それは譲れるそれは譲れないと自分の意思がハッキリしているからむしろ扱いやすい」的なことを言っていたけれど、それが分かる気がした。
 

結論:今回は普通に良い子だった(機嫌が良かった?)

結論から言って、問題児と聞いていたけれど全然許容範囲の良い子だった。あと、走ることに前向きっぽい子はいいなあ……と思った。この子がより気持ちよく走れるようなライダーになりたいと思わされる。
 
とはいえ、いつもこんな感じならみんなヤバいヤバい言わないだろうから今日はたまたま気が向いていたとか眠かったとかそういう感じなんだろう。それか私がお客さん扱いされて忖度されたか(無い)
指導員のSさんからの事前アドバイスは「アレは最早楽しむつもりで行った方がいい」とのことだったから、普段はもっと反抗してめちゃくちゃな馬なのかも。
 
近いうちにまた乗ってみたいなあと思ったけれど、次乗った時は手酷くやられそうな気がします。
でも今回のかわいいイタズラっ子のイメージがあるから多分乗ってしまうんだろうなあ……。
 

*1:いわゆる馬ガチャ。

*2:あだ名はアンボ「ちゃん」だけれど男の子。

*3:馬装講習では内側から引き出すと教わったけれど、「馬によっては外側がいい子もいます」と聞いていた。アンボは後者だったみたい。

*4:馬房内でアンボがキレてものすごく高く立ち上がったり、予想以上の高さにジャンプしたのを見たことがあるので、一緒に入ってる時にやられたらたまったものじゃないなと……