うまめのめ

ゆるらゆるりと馬に乗ったり関わったりする記録。趣味の乗馬日記ブログです。お馬のイラストも描きます。

【33鞍目③】初めての馬装

たくさんの「初めて」があった33鞍目、今回は馬を馬房から洗い場へ引き出して初めて一人で馬装をした話。

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(画像がないのが寂しいので馬房へのお迎えの時にも出したイラストを貼っておく。)

↓ この記事の続きの内容になります。

まあつまるところ、

というのがあらすじになります。

ブログだとかなり長々書くのに、ツイートにまとめようとするとたった2ツイートで話が終わる話なことに気付いて「えぇ……」と感じているけれどまあ気にしない!

 

上記の記事でも書いたけれど、ベーシック馬場レッスンからは、レッスン前の馬のお手入れと馬装を自分ですることになるため、ぐっと自立したような気持ちになる。

今までずっと、レッスン前に馬の馬装をしてくれるスタッフさんの姿を手持ち無沙汰気味に眺めては「早く自分でできるようになりたいなあ」と思っていて、一つの目標点にしていたので正直、一気にステップアップしたような気分がしてモチベーションもぐっと上がっちゃう。

 

 

引き馬中に寄り道されると困る

……と、そんなことを思いながら、ガジュ*1を洗い場に繋ごうとしたら、地面に生えている草をもぐもぐ食べ始めて自力で動かせなくなってしまったので通りかかった指導員Sさんに助けてもらった……。

 

引き馬の途中で草や垣根に夢中になられてしまった時の対処がまだ自分一人でできないので、それができるようになったら一つレベルアップしたと実感できる気がする。

他の方にだけれど、対処法を聞くと「思い切り引っ張ってそっちに行かせない」「前を歩いて引っ張っていく」と言われたけれど、馬との力勝負に敗北したからそっちに行かれている訳で……。

もっと全力で引っ張らないとダメってことなのかなあ。でも馬と力勝負で勝てる訳がないよな……。まだまだ経験が足りないので、そのうち「こうすればいいのか!」「こういうことか!」と感じられるような対処法が見つかるといいな。

 

お楽しみのブラシかけ

洗い場に繋げたら次はお手入れ。まずは、恐らく馬と仲良くなろうとする人々にとっては真っ先に思い浮かぶお楽しみであろうブラシかけから!

馬装を早く一人立ちしたかった理由の一つがブラシかけだった。本やネット、youtubeの動画を見ると、ブラシかけは馬との大事なコミュニケーションで、上手にかけられれば喜んで気持ちよさそうにしてくれるという。牧場物語でもお馬に毎日ブラシかけると好感度上がりやすくなるもんなあ。馬といえばブラシかけだよ。

 

機嫌よく話しかけながら、ガジュのおがくずまみれの小さな馬体にブラシをかけていった。

黒い馬体におがくずが大量についていると信玄餅みたいだと指導員のSさんがよく言っているけれど、きなこマシマシすぎて取るのにすごーーく苦労した。次回以降やる時はもう少し力入れてこすってもいいのかも。

体の横だけでなくて、背中やお尻までおがまみれでなかなか取れないので結構大変なのだけれど、気付いたら見学者の方々から注目されていることに気付いた。今の私……普通の人から見たら、そこそこ経験積んで、馬のお世話がちゃんとできてる乗馬の人に見えるんだろうなぁ……と思った。(考えすぎ)

ふとガジュの顔を見ると目を細めて舌を出し入れしたり、口をもぐもぐさせていた。

気持ち良さそうな顔をしていたので、とっても嬉しくて幸せな気持ちになる。もっとブラシかけも上手くなりたいなぁ。

 

まだまだ苦手な蹄の裏堀り

馬装を一人でやるにあたって、不安な要素の一つが「蹄の裏掘り」。馬房や馬場にいる時に蹄の裏にたまったおがくずや土を鉄爪(てっぴ)という道具で取ってあげる。私はこれが少し苦手だ。

この日も騎乗前に騎乗後に一応なんとかやったけれど、まごついてしまって馬がだんだん肢を上げなくなってきてしまう。

どこ情報だったかは忘れたけれど、「蹄の裏の真ん中は神経が通っているから痛覚もある」という話がやたら頭に残っていて、つい力加減をしてしまう……。けれど、私の裏掘りを見ているスタッフさんは必ず「もっと力入れて思い切り掘ってください」と言うので、無用な気遣いなのだと思う。

肢を手入れするのは緊張するし、目の前で「ダンッ」と降ろされたりするとビビったりもしてしまうけれど、馬もイライラしたり不安になってくるだろうから、ささっと終わらせられるようになりたい。

とりあえず次回以降は思い切ってガンガン掘っていこう……。

 

思っていたよりは難しくなかった装鞍

ただし、間違いなく馬装で抵抗しないガジュだったからである。

装鞍とは読んで字のごとく、鞍を馬の背中に装着すること。ただし、鞍を直に着けるのではなくて、馬の背中の保護のためにゼッケン・ゲルパッド・ボアパッドの順に被せた上に鞍を乗せる。

ガジュは入門者向けのレッスンにいることが多い子なので、ふくらはぎ裏にストッパーがついていて座る部分の形状も少し違って、重量のある「安全鞍」を着けた状態で、上のクラスのレッスンでもそのまま騎乗することが多かった。

今回は総合鞍。何故かは分からないけれどちょっと嬉しい。

 

鞍を馬の背中に乗せる時が大変で、結構重い上に私は身長がないので、一発で乗せることができず「あっ、ごめん」と1回は思わず言うことになる。これも慣れしかないね……。

 

装鞍の何が不安だったかと言うと、腹帯を締めること。腹帯を締められることを嫌がったり抵抗する馬もいるというのもあるけれど、ちゃんと力入れてベルトを締められるかな?という些細な不安があった。

今回は大人しく締めさせてくれる子だったので、特に問題はなかったけれど、腹帯を締めると抵抗して暴れようとしたりする子がいるから気を付けて作業だな〜。

 

最後に、装鞍の作業で一番不安だったのは

「馬の背中を保護するために、背中に乗せたゼッケン類と馬の背中の間に空間を作ってあげましょう」

という所……。

努めてやったつもりだったけれど、ちゃんとできていたかが定かではないのでこれもこれから確かにできるようになりたいポイント。「馬の身体を保護するために」と言われると本当にちゃんとやってあげないといけない気持ちに駆られる……。

 

最後に頭絡

装鞍と並んで不安要素だった頭絡の装着。

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馬の顔の前で手をたくさん動かす作業をしなきゃいけないのが少し怖い。

実際この日、頭絡を締める作業中に指先が軽く、ガジュのまぶたに当たってしまい、「ごめんね…ごめんね……」と申し訳ないことになっていた。

 

前に他の子で頭絡を着ける練習をさせてもらった時は、なかなかハミ*2を口の中に入れてくれなくて苦戦した……。

今回は上手いことガジュの口の前に頭絡とハミを持っていけたけれどどうかな……?と思っていたら、パクンと嫌がらずにハミを口の中に入れてくれた。

なんていい子なんだ……(尊い)

 

耳にイヤーネットをつけたら、頭絡のベルトを締める。

喉革は喉だから苦しくないように拳1つ分の余裕を持たせて締める。

鼻革は走っていて擦れると傷になってしまうから、ズレないように余裕なく締めるか、指一本分の余裕を持たせて締める。

ここが、教えてくれるスタッフさんによって違っていたのが気になっていたけれど、あるスタッフさんが「革についてる跡でいつもどこで締めてるか分かるので、そこに合わせればOKですよ〜」と言っていて、なるほど確かに!と思った。

 

ちゃんと馬装ができて浮かれる

不安だった一人での初めての馬装をスタッフさんの手助けがちょいちょいありつつも、こなすことができたので一安心。

頭絡をつけ終わったので無口をつけて洗い場に繋ぎ直そうとしたら、ガジュがぴっとりとくっついてきた。いつものことながら、あまりにも可愛すぎるのでハグでお返しする。圧  倒  的  多  幸  感  。この瞬間のために生きてると思えるくらいの多幸感です。馬すごい。

 

「そろそろ出発の準備始めてくださーい」と声が掛かったので、つけた無口を外そうとしたら、先程ブラシかけの時に見学していた貴婦人に声を掛けられた。

 

「写真撮ってもいいですか?とっても可愛い子だから……」

 

ですよねーーーー!!!😂😂😂

 

一瞬混乱して、「すみません、もうレッスン始まっちゃうかも……」と返してしまったものの、指導員の方が「撮り終わってから来て大丈夫ですよ!」と言ってくれたので撮らせてあげました。

推しを可愛いと言われて「めっちゃ可愛いですよねぇ!」とテンション高く同意してしまった……。

ただ好きな子が可愛いと言われてるだけでも嬉しいのに、自分と一緒にいる時の好きな子を可愛いと言われるとますます嬉しくなってしまうな〜〜〜。

 

幸せな気持ちで「さあ出発だ!」と思い、洗い場から外して手綱を引いたら、ガジュが動かない。

「えっ、ゴネるの……?」

そう思って顔をよく見たら頭の後ろにかかるはずの頭絡の項革(うなじかわ)がうなじにかかり切っていなくて変なところに引っかかってました……。 

ごめん!と言って直してあげたらスムーズに歩き始めたから「待って、頭絡おかしいよー?」という意思表示だったのかもしれない……。

 

以上、まとまりなき初馬装の記録でした。

裏掘りとかで体力持っていかれるけれど、色んな表情が見れて楽しい!騎乗だけでなくて、お手入れと馬装ももっと上手くなりたいです。

*1:お気に入りのちっちゃい黒鹿毛のお馬くん。

 ガジュくんへの偏愛を書き連ねた怪文書はこちら。

umamenome.hateblo.jp

 

*2:馬の口の中に入る金具。これでブレーキや曲がりなどの指示を伝える。